GitHubを開かずに、すべてを把握する
複数のGitHubリポジトリを管理する開発者にとって、「今CIは通ってる?」「PRの状態は?」「最新リリースは?」といった確認作業は日常茶飯事です。そのたびにブラウザを開き、GitHubにアクセスし、リポジトリを切り替える。この小さな摩擦が、1日に何十回も積み重なります。
RepoBarは、この問題を根本から解決するmacOS専用のメニューバーアプリです。GitHubリポジトリのCI状態、プルリクエスト、Issue、リリース、アクティビティをブラウザを開かずに一箇所で確認できます。しかも完全無料、オープンソースです。
開発者は誰?PSPDFKit創設者の新プロジェクト
RepoBarを開発したのは、iOS/macOS開発者界隈では伝説的な存在であるPeter Steinberger(@steipete)氏です。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 2011年 | PSPDFKitをブートストラップで創設(iOS/Android/Web向け最先端PDFフレームワーク) |
| 2021年 | PSPDFKitの成功裏のイグジットを達成 |
| 2025年〜 | 「バイブコーディング」モードでAI開発ツールを構築中 |
彼の哲学は「Ship beats perfect(完璧より出荷を優先)」。自分の問題を解決するツールを作り、それをオープンソースとして世界に共有する姿勢を貫いています。
Peter Steinberger氏のコメント:
「13年以上ネイティブiOSを出荷してきた後、今ではモダンWeb開発が新鮮な風のように感じる。AIがソフトウェア開発のすべてを変えつつある。」
RepoBarの主要機能
RepoBarは単なるステータス表示ツールではありません。開発者のワークフローに深く統合される設計になっています。
1. リアルタイムCI/CD監視
GitHub ActionsやChecksの状態をメニューバーからリアルタイムで確認できます。ビルドが失敗すれば即座に気づき、成功すれば安心してマージできます。
- ワークフロー実行状況の一覧表示
- 成功/失敗/進行中のステータス色分け
- クリックでGitHub Actionsページに直接ジャンプ
2. PR・Issue・リリースの統合ビュー
リポジトリごとに以下の情報がリッチなサブメニューで表示されます。
| 項目 | 表示内容 |
|---|---|
| プルリクエスト | オープンPR一覧、レビュー状態、マージ可否 |
| Issues | 未解決Issue、ラベル、担当者 |
| リリース | 最新リリース、変更履歴、ダウンロード数 |
| ブランチ・タグ | 全ブランチ一覧、タグ、コミット履歴 |
| Discussions | アクティブなディスカッション |
3. ローカルGitフォルダとの同期(ユニークな機能)
RepoBarの最も差別化された機能は、ローカルのプロジェクトフォルダをスキャンし、GitHubリポジトリと自動的にマッチングすることです。
- ブランチ情報: 現在のローカルブランチを表示
- 同期状態: ahead/behind(何コミット先行/遅れ)を表示
- ダーティファイル検出: コミットされていない変更を検知
- ワークツリー対応: Git worktreeも認識
- 自動フェッチ: Fast-forward onlyで安全に自動同期(オプション)
これにより、「ローカルとリモートがどれだけ乖離しているか」を常に把握できます。
4. CLIツールの搭載
RepoBarはGUIだけでなく、バンドルされたCLIツールも提供しています。
# リポジトリ状態の確認
repobar status
# JSON形式で出力(自動化向け)
repobar status --json
# 特定リポジトリの詳細
repobar info owner/repo
シェルスクリプトやCI/CDパイプラインからRepoBarのデータを活用でき、メニューと同じ情報をターミナルから素早く確認できます。
インストール方法
RepoBarのインストールは非常に簡単です。Homebrewが推奨されています。
方法1: Homebrew(推奨)
# インストール
brew install --cask steipete/tap/repobar
# アップグレード
brew upgrade repobar
方法2: 直接ダウンロード
GitHubリリースページから最新版の.dmgファイルをダウンロードしてインストールします。
システム要件
| 要件 | 詳細 |
|---|---|
| 対応OS | macOS 15 Sequoia以降 |
| 対応チップ | Intel / Apple Silicon両対応 |
| 認証 | 開発者署名 + Apple公証済み |
| GitHub | GitHub.com + GitHub Enterprise対応 |
セキュリティと認証
RepoBarはセキュリティを重視した設計になっています。
- ブラウザOAuth認証: トークンを直接入力する必要なし
- macOS Keychain保存: トークンはシステムの安全なキーチェーンに保存
- トークンの非ログ: ログにトークンが出力されることはない
- オープンソース: コードはすべてGitHubで公開、監査可能
実際のユースケース
ユースケース1: オープンソースメンテナー
複数のOSSプロジェクトを管理している場合、RepoBarで全リポジトリのPR・Issue・CI状態を一望できます。対応が必要なリポジトリを即座に特定できます。
ユースケース2: チーム開発
チームメンバーのPRがマージ待ちか、CIが通っているかをリアルタイムで把握。「あのPR、どうなった?」という確認作業が不要になります。
ユースケース3: 個人プロジェクト管理
サイドプロジェクトのリリース状態やDependabot PRの状況を、メインの作業を中断せずに確認できます。
最新アップデート(v0.1.2)
2025年12月31日にリリースされた最新版では、以下の機能が追加されました。
- 変更履歴ビューア: アプリ内でCHANGELOGを確認可能
- 完全なメニューカスタマイズ: 表示項目の細かな制御
- パフォーマンス改善: キャッシング・デバウンス処理による高速化
- GitHub Enterprise対応強化: HTTPS経由でのエンタープライズ接続
開発者のPeter Steinberger氏は「初回公開版のため、粗い部分と急速な反復を予期してください」と述べており、活発な開発が続いています。
他のGitHubツールとの比較
| 機能 | RepoBar | GitHub Desktop | gh CLI |
|---|---|---|---|
| メニューバー統合 | ✅ | ❌ | ❌ |
| CI状態一覧 | ✅ | ❌ | ✅ |
| 複数リポジトリ監視 | ✅ | △(切替必要) | △(コマンド必要) |
| ローカルGit同期 | ✅ | ✅ | ❌ |
| CLIツール | ✅ | ❌ | ✅ |
| 価格 | 無料 | 無料 | 無料 |
RepoBarの強みは「メニューバーからの常時監視」と「ローカルGitとの統合」の組み合わせです。GitHub Desktopはコミット操作向け、gh CLIはコマンドライン操作向けであり、RepoBarは「監視・把握」に特化しています。
まとめ:開発者の必携ツール
RepoBarは、複数のGitHubリポジトリを扱うすべてのmacOS開発者にとって、生産性を大幅に向上させるツールです。
✅ RepoBarをおすすめする理由
- 無料・オープンソース: コストゼロで導入可能
- 信頼性: PSPDFKit創設者による開発
- 軽量: メニューバーに常駐するだけ
- 機能豊富: CI、PR、Issue、リリース、ローカル同期、CLI
- 活発な開発: 継続的なアップデート
# 今すぐインストール
brew install --cask steipete/tap/repobar
「ブラウザを開かずにGitHubを把握する」。この小さな改善が、開発者の日常に大きな変化をもたらします。


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