DeNAの「DARS」が話題:AI活用を可視化する画期的な仕組み
「AIを導入したけど、どれくらい活用できているかわからない」——多くの企業が抱えるこの課題に、DeNAが明確な答えを出した。
DeNAの「社内AI活用レベルを5段階で評価する仕組み」が参考になる。
— ちゃえん | 重版satisfactory (@masahirochaen) January 12, 2026
言語化のレベルが高い。
これを参考に、各社が自社版のレベル設定を先に作ってからAI導入すると、定着度も上がりそう。
会社の目標だけでなく、個人の利活用指標も設けると、モチベ維持や目標設定ができて、学習も捗りそう。
投稿者が指摘する通り、DeNAの「DARS(DeNA AI Readiness Score)」は、AI活用を「個人」と「組織」の2軸で5段階評価する画期的な仕組みだ。その「言語化のレベルの高さ」は、他社がそのまま参考にできる完成度を誇る。
DARSとは何か:2軸×5段階の評価フレームワーク
DeNAは2025年2月に「AIオールイン」宣言を発表。同年8月末からDARSを全社導入した。
| 評価軸 | 対象 | 目的 |
|---|---|---|
| 個人レベル | 社員一人ひとり | AI活用スキルの可視化 |
| 組織レベル | 部署単位 | AI活用成熟度の測定 |
重要なのは、DARSが人事評価には直結しない点だ。あくまで「等級別の推奨要素」として扱われ、半期ごとに評価と目標設定を行う。これにより、社員が萎縮せずにAI活用に挑戦できる環境を作っている。
個人レベル:Lv1〜Lv5の詳細定義
個人レベルはエンジニア職と非エンジニア職で異なる基準が設けられている。この職種別の設計が、DARSの実用性を高めている。
非エンジニア職(ビジネス/クリエイティブ/マネージャー)
| レベル | 状態 | 具体的行動 |
|---|---|---|
| Lv1 | 基礎的な知識・利用習慣 | 社内推奨の対話型AIを一度は試した(日常利用はまだ) |
| Lv2 | 日常的なAI活用 | 業務でAIを定期的に使用、基本操作を習得 |
| Lv3 | 業務プロセス改善 | AIを活用して業務効率化を実現、知見を共有 |
| Lv4 | 課題解決能力の確立 | 複雑な課題にAIを適用、チームをリード |
| Lv5 | ビジネス変革 | AIを軸とした全体設計やビジネスモデル変革ができる |
エンジニア職
| レベル | 状態 | 具体的行動 |
|---|---|---|
| Lv1 | 基礎的な活用 | AIと対話しながらコード生成・情報収集、基本プロンプトを扱える |
| Lv2 | 生産性向上 | AIコーディングツールを日常的に活用、効率化を実現 |
| Lv3 | AIエージェント活用 | AIエージェントを業務に組み込み、自動化を推進 |
| Lv4 | LLMOps精通 | LLMの運用・チューニング・評価を主導 |
| Lv5 | AI軸の全体設計 | AIを前提としたアーキテクチャ設計・ビジネス変革をリード |
組織レベル:部署単位のAI成熟度
組織レベルは、部署全体としてのAI活用成熟度を測定する。個人の努力だけでなく、組織としての取り組みを評価する点が特徴だ。
| レベル | 段階 | 詳細 |
|---|---|---|
| Lv1 | 試行段階 | 組織の中でAIを試し始めている |
| Lv2 | 日常活用開始 | 複数メンバーがAIを日常的に活用、チーム内で知見共有 |
| Lv3 | ベストプラクティス確立 | 定型業務の多くがAI支援で効率化 |
| Lv4 | 文化として定着 | 新規メンバーも自然とAIを活用する環境が整備 |
| Lv5 | AI戦略実行 | AIだからこそ可能な戦略が実行され、競合優位性を確立 |
注目すべきはLv5の定義だ。「単なる効率化ではなく、AI前提でプロダクト構造を再設計し、競合優位性を確立している状態」——これは多くの企業が目指すべき最終目標を明確に言語化している。
DARSの設計が秀逸な5つの理由
DARSが「参考になる」と評価される理由を分析する。
1. 職種別の基準設定
エンジニアと非エンジニアで異なる基準を設けることで、公平で現実的な評価が可能になっている。マーケターにLLMOpsを求めても意味がない。
2. 個人と組織の両軸評価
個人の努力だけでなく、組織としての取り組みも評価することで、マネジメント層の責任も明確化している。
3. 人事評価との分離
DARSは人事評価に直結しない。これにより、社員が失敗を恐れずにAI活用に挑戦できる。
4. 段階的な成長パス
Lv1からLv5まで、明確な成長ステップが示されている。社員は「次に何をすればいいか」が分かる。
5. 具体的な行動指標
「基礎的な知識がある」だけでなく、「社内推奨の対話型AIを一度は試した」という具体的な行動で定義している。
自社導入のためのステップ
投稿者が指摘する通り、「自社版のレベル設定を先に作ってからAI導入すると、定着度も上がる」。では、どのように自社版DARSを作ればいいのか。
ステップ1:職種分類の決定
まず自社の職種を分類する。DeNAは「エンジニア」「非エンジニア」の2分類だが、営業・マーケ・人事・経理など細分化してもよい。
ステップ2:各レベルの定義
Lv1〜Lv5それぞれについて、具体的な行動で定義する。抽象的な表現(「AIを理解している」など)は避ける。
ステップ3:組織レベルの設計
部署単位での評価基準を設ける。個人だけでなく、チーム全体の成熟度を測定する仕組みが重要。
ステップ4:評価サイクルの決定
DeNAは半期ごと。四半期や月次など、自社に合ったサイクルを設定する。
ステップ5:目標設定との連動
DeNAは「2025年度末までに全組織がLv2到達」という目標を設定。明確な期限とゴールを示すことで、全社的な推進力が生まれる。
個人指標のメリット:モチベ維持と目標設定
投稿者が指摘する「個人の利活用指標」の重要性は見逃せない。
| メリット | 詳細 |
|---|---|
| モチベーション維持 | 自分の成長が可視化され、次のステップが明確に |
| 目標設定 | 「今期中にLv2からLv3へ」という具体的な目標が立てられる |
| 学習の促進 | 次のレベルに必要なスキルが分かり、学習計画が立てやすい |
| 競争と協力 | チーム内での健全な競争と知見共有が促進される |
会社の目標だけでは「自分事」になりにくい。個人レベルの指標があることで、一人ひとりが主体的にAI活用に取り組む動機付けが生まれる。
DeNAの目標:2025年度末に全組織Lv2
DeNAは明確な数値目標を設定している。
DeNAの目標:
「協業などやむを得ない事情がある一部の組織を除き、2025年度末までに全組織がDARSの組織レベル2に到達し、さらに上のレベル達成を目指す」
Lv2は「複数メンバーがAIを日常的に活用、チーム内で知見共有」という状態。決して高すぎない、しかし確実にAIが根付いた状態を目指している。
まとめ:DARS導入で「AI活用を文化に変える」
DeNAのDARSは、AI活用を「なんとなく」から「見える化」へ変える画期的な仕組みだ。
主要ポイント:
- 2軸構成:個人レベル+組織レベル
- 5段階評価:Lv1(試行)からLv5(ビジネス変革)
- 職種別基準:エンジニア/非エンジニアで異なる定義
- 人事評価と分離:挑戦を促進する設計
- 具体的な行動:抽象論ではなく具体的な行動で定義
- 明確な目標:2025年度末に全組織Lv2
投稿者の言葉通り、「各社が自社版のレベル設定を先に作ってからAI導入すると、定着度も上がる」。DARSは、その最良の参考モデルとなるだろう。AI導入を検討する全ての企業にとって、必読のフレームワークだ。


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